クーラーコンデンサー放熱性能改善 | クルマ屋 奮闘記

クーラーコンデンサー放熱性能改善


  上の画像は、1995-06製 三菱ミニカトッポ H31A
  フロントバンパー&ラジエターサポート外れましたの図。

  軽自動車のバンパーは、ビス ボルト 樹脂製クリップ、合計10個ほどで外れるので、割と簡単にこうなります。
  クーラーコンデンサーとラジエター、2個の電動ファンの配置が非常に特徴的なので、この車種を例に選びました。
  手前に見えるのがクーラーコンデンサーとその電動ファン。
  奥に半分交差しているのがラジエターで、隠れて見えませんがこちらにも背面型の電動ファンが配されています。



  皆さんほとんど意識されないようですが、クーラーコンプレッサーもオーバーヒートします
  エンジンと全く同じことで、異常発生時にヒートしすぎてしまう場合が多々あるのです。

  大衆車クラスのエアコンには自己診断機能などはなく、エンジンルーム内の電動ファンが回らなくなっていたり、
  冷媒のフロンガスが漏れ、標準充填量の 1/10 程度にまで減ってしまっても、コンプレッサーは動いてしまうのです。
  クーラーがほとんど効いてない変だと思いつつも、暑い時期だと中々A/Cスイッチを切ってしまえないものですが、
  そういう時、刻一刻コンプレッサーは過熱によるダメージを受け続けているのですよ。
  おかしいと気がついたら、修理するまでは潔くA/CスイッチOFF!!  これ、修理費抑える鉄則であります。



  私はいつの頃からか、クーラー系統の点検時、必ず配管を手で触ってみるようになりました。
  正常に冷気が出ているエアコンでも、気温が30℃を超えだすと、高圧系統は結構熱いですね。

  もし地球温暖化の影響で、最高気温40℃超の日なんかに出くわしたら?
  システム想定気温は案外低く、過酷な環境下では正常なエアコンでも、ヒートの影響で冷房能力がダウンします。
  そして特定の気温を超えるとクーラーの使用は諦めてもらいたい限界点があるという事を、覚えておいて下さい。

  この限界点は車種によっても異なりますが、渋滞時、36℃で既に相当きついのか、42℃まで耐えてくれるのか・・・
  ご自分のクルマのクーラーが摂氏何度まで使用可能か、予め想定しておくとよいかも知れませんね。
  すると僅か数度のこととはいえ、この差はかなり大きな意味を持つと思われませんか!

  クーラーの使用限界外気温度に関するキーポイントは、コンデンサーの放熱性能にあります。
  外に捨てれる熱量がUPすると、限界点は有利にシフトし、冷房能力も自然と良くなるのです。

  しかしそうと判っていても、コストやスペースの問題のために、大型クーラーコンデンサーに換装とかは難しく。。
  なるべく安価に!!  現状に何かプラスアルファして、可能なかぎりの放熱性能改善を試みるのが正解でしょう♪



右の画像は、ラジエター用電動ファンシュラウドの上面部。
ラジエター本体とシュラウドとの間にご注目ください。

ここの隙間処理は、結構おざなりな車種が少なからずあります。
面倒でも一旦脱着して隙間テープを貼ってあげるとGOOD。

フィン間の通気量と放熱性能は比例関係にありますので、余分な隙間があいていたり、葉っぱや綿埃のたぐいで目詰まりというのでは、性能が低下してしまうのです。

特に背面型電動ファンの場合は注意が必要で、ラジエターとクーラーコンデンサー間の側面の隙間にも配慮せねばなりません。  冷却水漏れでラジエター交換・・・ というのは、一見クーラー系統と無関係なので、新車の頃にはちゃんとあったはずのスポンジ素材、7~10年ほどで劣化崩壊しだしてボロボロになるのは定番ですが、その重要性を認識していない不心得者に任せてしまうと、スポンジ貼りなおすどころか逆に全部めくられたり?ww

盛夏のエアコンの効き具合に大きな影響を及ぼすスポンジ素材
2000年以降、新車時から省略されている例がだんだん増えてきましたが、これはどうも設計思想の転換なのではと想像しています。 コンデンサーの放熱性=容積や電動ファンのパワーを決めるにあたり若干の余裕を持たせることで、低圧配管の断熱や、上述隙間処理を端折っても、同等の性能が得られるように。 シンプルにすることによるコスト節減なのでしょう。 ですが小技効かしたほうがより良い結果に、つまりクーラーはもっとよく冷えるようになると私は確信しています。^^



そして真打ち、話の核心は放熱塗装
2006年夏季からの約4年間、多くの試験施工を重ねた結果を、ここに謹んでご報告いたします。


体感するほどの明確な効果
レース・ストリート系車両のラジエター、インタークーラー、オイルクーラーなどには割と早くから採用されていた放熱塗装。
たとえば参考例として横浜市の 有限会社フレックスさんのHP  をご覧下さい。  Oh Beautiful

着色料で放熱効果に差が出るようなことはないのですが、アルミ素材の定番色、ブルーやレッドは実に美しいですね♪
フレックスさんの放熱塗装解説ページでは、「冷却効率は20~30%と飛躍的に向上」となっています。
これはCPU用などのヒートシンクよりも、フィンの目がずっと細かい = 比表面積うんぬんということによります。
クーラーコンデンサーについても、同程度の素晴らしい向上率を期待できるでしょう。

それならば、フロンガスを回収して配管切り離したりせず、廉価施工で手前半面プラスアルファ放熱塗装をした場合でも、
「約15%程の放熱性向上/優れたコストパフォーマンスを発揮」と考えるようになりました。 実際、フィーリングも良好♪


輻射エネルギーの能動的受動的作用
物事や現象には、往々にして表と裏の性質があるものです。 輻射特性に優れた材料にも同じことが言えます。
放熱性向上塗料の記事でも触れた、沖電気工業製「放熱シート まず貼る一番」には興味深い使用例がありまして、
冷却したい箇所に貼った放熱シートと向かい合わせ、筐体カバー内側の対向面にも貼る、という手法です。
つまり、熱を電磁波に変換して放射しやすい材料は、電磁波を吸収して熱に変換し直す性質にも秀でているのですね。
( 同一平面上の連続した素材間でも同様で、放射吸収を繰り返し、あたかも熱伝導率を高めるような働きもします )

この知識は、放熱塗装を効果的に設計配置する上で実に有用、いや必須でしょう。
異なるシステムの隣接した放熱ユニット(例:ラジエターとコンデンサー)、どちらのクールダウンに重点を置くかによって、
両方に放熱塗装するのか、片側のみにしておくか・・・ 私は、思想次第で自ずと答えも違ってきて当然だと思います。^^


クーラーコンデンサー放熱塗装について、私の施工提案をご了承下さった方々からの生のご意見、募集中 !!


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