SUBARU BRAT | クルマ屋 奮闘記

SUBARU BRAT


上の画像は、1986-05製 スバルBRAT ( 北米輸出専用車両 逆輸入のため型式不明 )
苦労の末やっとのこと調達した、レシーバータンクの新旧2個です。

 レシーバータンク ( リキッドタンク ) :
 冷凍サイクル内のゴミや水分を取り除く消耗部品で、クーラー配管等脱着修理の際には、同時交換を強く推奨

この車両のボンネット裏には、搭載されたクーラーシステムのコーションラベルが健在で、
Subaru Of America を意味する ( SOA******* ) という純正品番がまだ判読可能だったため、
当初は安易に考えていたのですが、いやはやどうして一筋縄ではいきませんでしたね~ ww

というのも生産車両はクーラーレスで輸出されており、オプション装着のクーラーは米国ディーラー後付け品との事。
日本スバルは一切関与しておらずデータ皆無、詳細不明?  横の連携悪く不親切というのは世の常でしょうか。。
仕方がないので輸入車ルートで調べてもらうと、かなりの日数待たされた挙句、「製造中止、供給不能」 orz

こうなると残された方法は、現物合わせによる代替品模索となるのですが・・・
 1) IN/OUT、二つの配管接続部の径・形状・ネジピッチ
 2) 低圧用・高圧用の圧力スイッチ、そのコネクタ形状
 3) 固定用ブラケット
これら全てを満たす品などは望むべくもないので、最低限、(1)の条件のみで我慢し他は何とかせねばなりません。
しかし ・・・・・

レシーバータンクの命は気密保持された新品であるということ!
キャップ外して僅か半日くらい放置しただけで、大気中の水分を吸ってしまい除湿能力を使い切ってしまうのですよ。
外観のみ新品みたいな粗悪品の出来上がり?!(爆)
この機微を知る熟練整備士は、脱着過程の配管端部を適切なゴムキャップで気密します。 マスキングテープ不可。
レシーバータンクの取付順序にも気を遣い、なるべく最後にして設置後速やかに真空引き開始するのがお約束。

と、非常にシビアなパーツなので、部品供給元も特別な配慮=不活性ガスを充填してくれてます。
初めてゴム栓外した時に 「プシュ~」 となる品は信頼性高く、作業する身としてはある種の快感だったりします。w
・・・・・ そんなレシーバータンクの大事な大事な命のゴム栓。  在庫の棚に眠る品、片っ端から外して現物合わせ?

幸い、人情味溢れる奇特な業者さんが見つかり、厄介な依頼を引き受けて下さいました。
驚いたことに、一旦ゴム栓外して確認されたはずなのに、再度プシュ~となったのですよ!
フロンか窒素あたりの不活性ガス注入キット一式を持っておられ、開栓確認後に再充填してくれる。。
実に芸の細かい話で、私にとっては感涙ものでした。  まぁ、そういう業者さんだからこその快諾だったのかもですね♪



 余談 :
 BRAT用クーラーコンプレッサーについて  ( Diesel kiki : DKS-15BH / 509630-8571 )

 残念ながら製造後年数が経ち廃止品番に該当してしまうため、リビルト在庫はおろか現物リビルト化すら不可。
 関西・中部・関東、私と二軒の部品商とでかなり広範囲に手を尽したのですが、答えはどこも同じだったのです。
 1958~ ヂーゼル機器  、1990~ ZEXEL  、2005~ Valeo
 と変遷してきたメーカーなので、デンソー製と比べると多少不利なのでしょうか?
 上述、同じ業者さんが見事なリビルト品にして返して下さったお陰で、クーラー修理は無事成功したのですが・・・

 1月後に入庫してきたエアコン修理の別車両、
  1991.05登録 ボルボ940 E-9B230W のコンプレッサーが偶然同じ Diesel kiki製 DKS-15BH だったのです!
 509640-0164 と品番こそ微妙に違い、マグネットクラッチ用の配線ブラケット・コネクターが若干異なるものの、
 外観上はBRAT用のそれと寸分違わぬようでした。  驚いたことに本国スウェーデンには在庫あり。
 再び登場の上述業者さんでは、Valeo製の社外品新品が在庫2との回答で、この内の1つを頂きました。

 すんなり事が運ぶのは喜ばし限りなんですが~、なんだかキツネにつままれたような気分ではありましたね。ww
 他のBRATオーナーの方々にとっては耳寄りな情報かも知れません。^^  ( 適否は自己責任でお願いします )

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