配管擦過傷 | クルマ屋 奮闘記

配管擦過傷

クーラーアルミ配管の興味深い損傷事例

 

 1996-07製 BCNR33 スカイラインGT-R V-SPEC / 原動機: 2.6L RB26DETT !!
 上の画像は、そのクーラーコンデンサー左上部側方の配管付根。 ザックリ逝ってます ^^;

 V字の傷はかなり深そうに見えますが、意外とガス入れた尻から全部抜けてしまうほどではなく。
 かといって、他社で誤認修理後三日ほどしかクーラー効かなかったという・・・ 絶妙な削れ具合?!
 過去記事 クーラー配管ピンホール の例もそうですが、単なる配管途中からのガス漏れは発見が難しかったりします。



 実はここ、ちょうどラジエターで隠れる場所。
 GT-RのVスペックという車種相応、華麗な青に染め上げられたオールアルミ製ラジエターが鎮座。
 ボルトオン装着可能を謳った車種適合品だそうですが、換装の際には細心の注意が必要でしょう。

 確かに車種適合というだけあって、アッパー・ロワホースは純正位置と寸分違わず。
 スペース的にも何も問題なく、ちゃんと納まってました。
 唯一難があったのは、ラジエターの側面部。
 導風用サイドシール材の役目を果たす、L型アルミ板がラジエターに溶接されていたのですが・・・
 上図、クーラーコンデンサーのアルミ配管とL型部分が僅かに接触していたのでした。

 これ、こじるほど当っているのに強引に取り付けてあった、とかじゃないんです。
 ほんの微かにキスする程度。 それでも、配管やホース類は、干渉すると必ず擦過傷を生じます!
 この例の場合、干渉する板材端部が面取りされておらず鋭利だったこと、配管がアルミ材だったこと、
 ラジエターやクーラーコンデンサーというのは一般的に遊びあるよう甘く固定されており、振動の影響受けやすいこと、
 などなど悪条件が重なったため、社外品ラジエター交換後、たった半年ほどで数ミリも削れてしまったわけですが。。
 もし端部面取りしてあり5年もっても結局は削れてとらぶるわけですから。 根本原因を絶つ=干渉させないことが肝要



 本例への修理対応策としましては、
 傷ついた配管部溶接修理&フレキ保護 + ラジエター側切削面取り ( クリアランス 2cm 干渉回避 )

 という最終目標掲げ、LLC一旦抜き取りラジエター脱着。 手直し後、冷却水濾過・再充填・エア抜き。
 クーラーコンデンサーも溶接のため脱着せねばならず、残存フロンガス回収・配管切り離し・Oリング交換。
 ガス抜いたなら・・・ 低圧高圧2個の虫バルブ交換推奨。 レシーバータンクも同時交換を強く推奨 ( ¥6,980+消 )
 更に、外れて単体になったクーラーコンデンサー・・・ 放熱塗装の絶好のチャンスなので、するしないのご選択肢が。。

 単に傷ついた配管を修理するという、ただそれだけのことなんですが。
 それでも、それに派生・波及していくことがあれこれあるもので、私流のスタイル=数項目のご提案を。
 ガスと一緒に漏れてしまうコンプレッサーオイルは補充必須!
 そういう却下不可の事柄を除き、ご提案に対するお客様のご決断には素直に従うのみでとやかく文句は言いません。
 とはいうものの調子伺いでお尋ねした時、あれこれ不採用し安く上げたケースほど、盛夏のクーラー効きは今一と。。
 この事例では、さすがGT-Rのお客さま。 ALL GOサイン頂戴し、北極化に成功しています。
 お喜びの声を聞けると、やはり嬉しいものですね♪ ^^

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