レバー式コントロールパネル | クルマ屋 奮闘記

レバー式コントロールパネル



上の画像は、ダイハツ・リーザのエアコンコントロールパネルASSY

エアコン空調操作は、「モード切替」 「温度調節」 「内気外気」 「風量」 「A/Cスイッチ」などですが、
操作方式としては、タッチ式/プッシュ式/ダイヤル式/レバー式などが挙げられます。
車種ごとに、これらの各方式が複合選択されてたりして、個性を醸しだしていると言えるでしょう。
中には、レバー式をダイヤル式に変更した! などという、ツワモノさんもおられますが、それはまた別の話(笑)

リーザは1992年7月に生産終了した車種なので、どんなに新しいものでも車歴は22年以上。
旧フロンのエアコンが突然おかしくなったとのことで緊張しつつ拝見すると、
冷媒R12のクーラー修理としては、意表突くほど安価に済んでしまった故障事例でありました。

レバー式コントローラーの支点部分にご注目
画像中央上側辺り、軸となるべき樹脂製の突起が欠けて、金属プレートが外れています。
こうなった原因としては、空調ユニット内のフラップ張り付きや、フラップ動かすピアノ線の固着などが
考えられますが、テストしてみてもスムーズで、どうも元々の強度が不足しているように思いました。。



王道的? 杓子定規? な対応としては、コントロールパネルASSY交換。
折れた箇所は、本体と一体成す部分なので、もっと小単位の交換パーツがないのです。
しかしその場合の利点は、圧倒的な安心感!
作業者の技量に関係なく高い信頼性が得られます。
二十年以上経った複合パーツ、交換することでワイヤーやスイッチも新品になれば万々歳なのです。
当然、クレーム発生率は下がります。 その上、部品の粗利も加わって儲かるとなれば・・・
整備する側の立場で考えると、他の選択肢は有り得ないでしょう。(笑)

一方、裏技的な対応として、無理やりなんとか修理してしまう方法もあります。
このケースでは、欠けた部分を平たく削り、鍋頭のタッピングスクリュー利用して支点を保持しました。
仕上がり上々、会心の出来♪



たかがネジ1本で済む話なんですが。。
適切な長さ・径のネジ探しというのは、案外と容易ならざる難事。
正しい下穴の知識も要ります。 甘すぎても固すぎてもいけません。

これ、自己責任でDIYするぶんには気楽なもので、他からダメ出し喰らうことはまずありません。
 ( 唯一の例外として、人の生き死にに関わる部分は、決してDIYしないで下さい )
しかし、金銭受け取ってプロとして請け負う場合、色々支障が出てくる可能性も。

この例のように、メーカー純正パーツよりも強度上がったと太鼓判押せるケースも稀にありますが、
普通は修理対応した場合、新品よりも耐久性は数段劣ってしまいます。
修理直後は、「安く済んだ。ありがとう~^^」と喜んで貰えますが、
いけると踏んだ方策が裏目に出て、修理後ほどなく壊れてしまうと最悪です。
勿論、そういう不幸な事態に陥ってしまった場合は、全力で次善の策を講じるわけですが、
その後の流れがどのようなシナリオになるのかは、結局のところ、人と人との親密さだと思うんです。

ここで質問!
整備士が修理対応するというのは、よほどの善意からだと思うのですが。
それが裏目に出た場合、皆様はどのようなリアクションを取られるでしょう?
(1)断固クレーム無償修理 / (2)有償でも構わないから再修理 / (3)修理断念 T_T

これに似たアンケート結果の統計資料とかがあれば是非見てみたいと思いました。
そりゃ勿論1番だろうと思われる方の割合はどれくらいなんでしょうね。
そのような方々は、もし整備工場側から修理対応の提案を受けた場合は、
却下しておかれるのが転ばぬ先の杖というもの。 迷わず交換対応で!^^;

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