非接触式放射温度計
ハンディータイプの赤外線サーモグラフィ。 10万円を切る廉価品も登場しだしたようです。 液晶ディスプレーに熱い部分が赤や黄色に映し出されるので、全体の温度分布も一目瞭然。 ほ・欲しい~(笑) 右の画像は、非接触式放射温度計。 それぞれの物質には、固有の赤外線放射率というのがあるので、 放射される赤外線量を測れば、触れることなく温度が推定出来ます。 拳銃のように狙って、ピピッと僅か0.5秒、測定完了! これ前々から欲しかったんですよね。。 アマゾンで送料税込み3,350円 GMAR 700/GM 700 お約束の中国製玩具(爆) 5,000円以下の製品だけでも相当数HITしますが、 機種選定のポイントは、「Emissivity : 放射率」 でしょう。 |
お薦めは、0.10~1.00 の間で放射率を自在に設定可能な機種だと思います。
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鏡面仕上げされた金属は、放射率 0.10 未満になってしまうので、測定点を塗装する方法が有効です。
「放射率表、放射率一覧」というキーワードで検索すると計測器メーカーの公開データが多数HITします。 これらは十分信頼しうるはずですが、異なる企業の表を照合するとぴったり合致する項目のほうが少ないですね(笑) 対象物の表面の状態によって放射率はかなり変化するので、正確な測定のためには校正作業が必須です。
新しい玩具を手に入れると早速使ってみたくなります。^^;
工場の中を見渡すと・・・・・
上の画像は、エアコン修理で入庫中だった オペル ベクトラ XH180 。
脱着経路の理由で、クーラーコンプレッサー替える際、エキマニとEXフロントパイプを外す選択をしたのですが、
過去記事 ヒートカットパウダー : エキマニ等に遮熱塗装を施した117クーペ君が偶然小修理入庫中で!
オペルのオーナー様は幸運にもご来店時、遮熱塗装済みの実物に接することが出来たのですよ。
物質を圧縮すると熱を発するのが自然の摂理。
唯でさえヒートしがちなコンプレッサーが、熱を大量に放出する排気系統の近傍に配置されてる車種の場合、
クーラー系統は性能的にも寿命という点でも確実に不利益を蒙ります。 単にレイアウトの関係なんですが。
放射温度計の校正作業
先ず接触式温度計で対象物の正確な温度を把握し、指示値が最も近くなるように放射率を微調整。
単に、塗料の放射率は 0.95 であると明言してしまっている記述もあります。
赤外線領域の波長を測っているので、原理的には塗料の色による誤差は生じないはずなのですが。
実際には、金・銀・白・黒・ザラメ・艶消し・エナメルなど、成分や表面の性状で放射率は異なります。
前日から正午頃まで静置して、常温まで冷えたベクトラ君。
私が何層にも塗り重ねた銀色の遮熱塗料を対象物として校正作業を行ってみると、放射率= 0.77 。
これで実験準備は整いました!
市街地を試運転して暖機してから、更に 3000rpm 3分間 の負荷をかけた直後に温度測定!
エキマニ、EXフロントパイプフランジ部、どちらの表面もおおよそ230度。
エキマニ遮熱板の表面は70~80度といった感じで、手の平で余裕で触れましたね。
試みに、クーラーコンプレッサーとEXフロントパイプの狭い隙間に、腕まくりした素手を深く入れても平気でした。
エンジンルーム内の温度を少しでも下げたい方にお薦めです!^^