クルマ屋 奮闘記 -3ページ目

LEDルームランプ

マクラ球型LEDルームランプについて


上の画像は、12V用マクラ球型LEDルームランプ。
1年保証でありながら、LED6チップ×2個セットが、送料税込みでたったの700円♪
省電力長寿命のLED球が、実質1個当り300円以下?!
フィラメント球との価格差がここまで縮まってくると、交換を要する際には、LEDに積極的に置換すべきと思いました。
2011年現在の相場より随分安すぎですが、アマゾン経由の購入なら万一粗悪品でも1年保証は守ってくれるかな。。
と、甘い認識で試しに注文してみたのですが・・・・・
運転席側と助手席側にそれぞれ独立したルームランプがある車種に同時に使いだしてみたところ、速攻1個NG。
総点灯時間にして僅か5~10分ほどで? 何度かドア開閉していただけでふと気付くと片側不点灯に。
慌ててクレーム報告して翌日には代品届いたものの、その頃にはもう1個の反対側も点かなくなってしまいました。
一応ルームランプ本体側各部の接触不良も疑ってみたのですが、やはりLED球の内部接触不良と断定。


届いた代品を含め、合計4個確保した時点で臆せず不良品を分解してみると・・・
 1) 両端の金属製帽子は肉厚ペラペラの薄すぎで強度不足
 2) 円筒型レンズはガラス製ではなく樹脂製で耐熱性不足
 3) LED基板端子と帽子部分との接続は圧着方式・ハンダ方式ではなく単なる折り曲げ
 4) レンズと帽子部分との固定はボンドによる点付け

これだけ悪材料が揃うと、どう考えても実用に耐えうるとは思えません。。
電球ホルダーに挟まれテンションかかった状態で、点灯加熱~消灯自然冷却を繰り返すと、基板端子が必ず接触不良に。
10秒未満のショートサイクルで、延々とON/OFF点滅反復テストする分には、そこそこの回数耐えるかもしれませんが、
点灯5分間 (加熱) ~ 消灯30分間以上 (自然冷却) というサイクルには非常に脆く、僅か数回で不点灯に陥るでしょう。
実際の使用状況は、むしろこうだと思うのですが。
ちなみに優良LED素子集合体の定格寿命は、全光束が初期全光束の70%、または、光度が初期光度の70%に低下
するまでの時間と一応定義されてはいるものの、一般向け表記ではそれよりも短命な、回路中のコンデンサー寿命である
40,000時間でどのメーカーも判でついたように横並びになるのが定番みたいです。
このため、素子(チップ)+回路の寿命=電球の寿命=4万時間だと、売り手の側の多くの人々まで誤解してるようですが、
製品としての総合的な点灯寿命は、上述したような種々の理由で短縮され、粗悪品では製品寿命 0.5H ?
電気接続って結構シビアですが、製造コストを下げるための手の抜きどころは正にそういうところなんでしょうねぇ~ ^^;


留意点・解決策
右の画像を仔細にご覧下さい。
左側は、スタンレー製フィラメント球 ( ガラスレンズ )
右側は、対策済みLED粗悪品 ( 樹脂製レンズ )

並べて見比べるとガラスレンズは非常に透明度が高いですね。
中身が雲って見える品は樹脂製レンズの可能性濃厚で要注意!

次に金属製帽子の円錐部分先端ですが・・・
左のスタンレー製は平たく圧着してあり、右の品には対策として
基板端子を僅かに出してハンダをチョンと盛りました。
電気接続はこうしなければ確実になりません。
逆言うと、圧着痕またはハンダ痕ないものは要注意!


上記二項目どちらにも該当するもの。すなわち、樹脂製レンズ+無処置金属製帽子のLEDは、粗悪品の可能性 大?
いくら安くてもそういう品には手出ししないほうが無難だと思います。。

♪

Range Rover Classic その3

エアサス → コイルサス + 構造等変更検査 について

上の一連の画像は、1993-09製 レンジローバー LH40D
以前からエアサス車高調整機能、散発的に変調きたしてたのですが、走行約118,000kmで顕在化。
悪戯している犯人は、コントロールユニットかバルブブロックか・・・ エア漏れは無さそうでしたが、ベローズ ( ちょうちん )
には亀裂がかなり見受けられ、エアサスポンプの作動音も決して静かとは言えないレベルになってきており、満身創痍。。
これ年貢の納め時ちゃいますかぁ? どないしますぅ~? というわけで、コイルサスに変更してしまうことに決定!


緩衝装置の構造を変更する場合は、必ず構造等変更検査を通しておかねばなりません。
( エアサス~コイルサスという根本構造を変えた場合の話。 元々コイルサスの車のショックやコイル交換では不要。)
改造後、この通過儀礼を経ずにそのまま乗るのは違法です。 ひた隠しても次の車検で発覚し、大騒ぎに。。
「改造自動車等の届出は、原則として、改造自動車等の製作者または施工者とする。」と謳われていますので、
構造変更に纏わる申請一式は、本作業のオプション扱いというスタンスではなく、必須のセットとお考え下さい。

今回、多数の申請書類の冒頭、改造等の概要の目的欄の文言を、「トラブル頻出するエアサスの抜本塞源」としました。
これは他所様からの頂きものにあらず。 いかにもお役所に提出する書類の題目として言い得て妙だと思われませんか。
とはいうものの普段日常会話の中では、「そくげん」なんて単語は絶対使わないですよね~?(爆)



実作業面では、4輪駆動車専門雑誌「 CCV 」編集長 石川雄一氏からの全面サポートを賜りました。
エアサス電気系統の処置や、交換作業そのものは意外なほどあっさりしたもので、右前微調整しただけで無事完了。
最重要ポイントは、使用するコイルスプリングの選定でありましょう。
このケースでは、前述石川氏からディスカバリーLJ22Dの中古品一式を供給して頂きました。
中古品といえば聞こえは悪いかもですが・・・・・
取り付け後の「へたり」が既に済んでいることや、「登録識別情報等通知書」か「一時抹消登録証明書」という、
部品の出所を証するしっかりした書類の添付が出来る安心感! 審査をする側の感覚もきっと同じだと思います。
多少の汚れや錆浮きなどは、清掃・研磨・錆止めの薬剤処置後に黒色塗装。 これで十分甦るのです。
ベストチョイスが功を奏したか、構造変更申請後の新しい車検証は、元々と寸分違わぬ車高 179cm を記録!
検査場はレーザー式測定器による一発勝負なんですよ。 これは素晴らしい快挙であると密やかに自画自賛♪w

上の書類は、構造変更申請に要する提出物からの抜粋。
冒頭写真も同様で、各輪を真横・前側・後側からの12枚プラスアルファー要撮影。
特筆事項としましては・・・・・ 強度計算書作成のため、車両装着前にコイルスプリング諸元を採寸しておくこと。
申請を念頭に置かずこれを怠ると、自然長を測りたいがためにコイル脱着とか理不尽なことになるのでご用心。
あと、構変は登録地の運輸支局での持ち込み検査になります。
この車両は神戸ナンバーだったため、事前の書類審査は京都支局に提出し、合格を意味する「審査結果通知書」を
待つこと約十日。 そして予約した上で神戸支局へという流れになりました。 遠方の他府県だとちょっと厳しいですね。

最後にこの場をお借りして謝意を述べたいと思います。
正直な話、これら一連の作業・申請事務は疑問点数多く、独力では決して円滑に運ばなかったでありましょう。
ご支援下さいました皆様方、本当にありがとうございました。^^
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配管擦過傷

クーラーアルミ配管の興味深い損傷事例

 

 1996-07製 BCNR33 スカイラインGT-R V-SPEC / 原動機: 2.6L RB26DETT !!
 上の画像は、そのクーラーコンデンサー左上部側方の配管付根。 ザックリ逝ってます ^^;

 V字の傷はかなり深そうに見えますが、意外とガス入れた尻から全部抜けてしまうほどではなく。
 かといって、他社で誤認修理後三日ほどしかクーラー効かなかったという・・・ 絶妙な削れ具合?!
 過去記事 クーラー配管ピンホール の例もそうですが、単なる配管途中からのガス漏れは発見が難しかったりします。



 実はここ、ちょうどラジエターで隠れる場所。
 GT-RのVスペックという車種相応、華麗な青に染め上げられたオールアルミ製ラジエターが鎮座。
 ボルトオン装着可能を謳った車種適合品だそうですが、換装の際には細心の注意が必要でしょう。

 確かに車種適合というだけあって、アッパー・ロワホースは純正位置と寸分違わず。
 スペース的にも何も問題なく、ちゃんと納まってました。
 唯一難があったのは、ラジエターの側面部。
 導風用サイドシール材の役目を果たす、L型アルミ板がラジエターに溶接されていたのですが・・・
 上図、クーラーコンデンサーのアルミ配管とL型部分が僅かに接触していたのでした。

 これ、こじるほど当っているのに強引に取り付けてあった、とかじゃないんです。
 ほんの微かにキスする程度。 それでも、配管やホース類は、干渉すると必ず擦過傷を生じます!
 この例の場合、干渉する板材端部が面取りされておらず鋭利だったこと、配管がアルミ材だったこと、
 ラジエターやクーラーコンデンサーというのは一般的に遊びあるよう甘く固定されており、振動の影響受けやすいこと、
 などなど悪条件が重なったため、社外品ラジエター交換後、たった半年ほどで数ミリも削れてしまったわけですが。。
 もし端部面取りしてあり5年もっても結局は削れてとらぶるわけですから。 根本原因を絶つ=干渉させないことが肝要



 本例への修理対応策としましては、
 傷ついた配管部溶接修理&フレキ保護 + ラジエター側切削面取り ( クリアランス 2cm 干渉回避 )

 という最終目標掲げ、LLC一旦抜き取りラジエター脱着。 手直し後、冷却水濾過・再充填・エア抜き。
 クーラーコンデンサーも溶接のため脱着せねばならず、残存フロンガス回収・配管切り離し・Oリング交換。
 ガス抜いたなら・・・ 低圧高圧2個の虫バルブ交換推奨。 レシーバータンクも同時交換を強く推奨 ( ¥6,980+消 )
 更に、外れて単体になったクーラーコンデンサー・・・ 放熱塗装の絶好のチャンスなので、するしないのご選択肢が。。

 単に傷ついた配管を修理するという、ただそれだけのことなんですが。
 それでも、それに派生・波及していくことがあれこれあるもので、私流のスタイル=数項目のご提案を。
 ガスと一緒に漏れてしまうコンプレッサーオイルは補充必須!
 そういう却下不可の事柄を除き、ご提案に対するお客様のご決断には素直に従うのみでとやかく文句は言いません。
 とはいうものの調子伺いでお尋ねした時、あれこれ不採用し安く上げたケースほど、盛夏のクーラー効きは今一と。。
 この事例では、さすがGT-Rのお客さま。 ALL GOサイン頂戴し、北極化に成功しています。
 お喜びの声を聞けると、やはり嬉しいものですね♪ ^^

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チュービングベンダー

配管曲げ加工専用ツールについて

 上の画像は、チュービングベンダー 4in1 ( 3/16″1/4″5/16″3/8″= 4.78mm 6.35mm 7.94mm 9.53mm )
  工具のディスカウントショップ ストレート製、送料税込み実勢価格 約二千円也

 外寸およそ26センチ、小振りのハンドツールになります。
 半周ずつ溝幅の異なるアダプタ2個により、直径 4.5~10mm の比較的柔らかい配管に対応可能。
 具体的には、ブレーキパイプやフューエルパイプ、細いアルミ配管など。
 これらは手曲げでも容易に曲げることが出来ますが、それとは一線を画した美しいカーブに仕上がります。



 一部例外を除き、配管接続部というのは、フレアナット・フレアボルト・普通のボルトナットなどなど
 何らかのネジ山を利用して強制的に面圧をかけることにより、気密が保たれているのですが。
 これら固定ネジを緩め力を加えない自然な状態で、雌雄の配管センターが一致するよう配慮するのが上質な整備。

 前回記事、クラシックレンジローバーのレストアの際、
 ワンオフ品ブレーキパイプの最終微調整用にと購入してみましたが・・・ 値段分それだけで元とるくらい活躍しました!
 以来1年に1度ほど、クーラー高圧配管の修正などで稀に出番があるでしょうか。 あるとあったで嬉しい工具です♪

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Range Rover Classic その2

輸入車のブレーキパイプ製作について


 上の画像は、1993-09製 レンジローバー LH40D から取り外した後輪用並列ブレーキパイプ
 差し渡し3m、曲がりくねった2本の総延長距離は8mといったところでしょうか。 結構長いです。
  そうです。 前回記事と同一車両。 関東への転勤後、約2年半で再び神戸に戻ってこられ、ボロボロに腐食した
  テールゲートの対処を皮切りに、半年あけず次々難事が起こってしまい、毎回頼ってきて下さったのでした。

この事件の実際の日付は、2009年も押し迫った年の瀬。
突然ブレーキオイルが大量に漏れ出し走行不能に陥ったため、仕方なく神戸のディーラーに入庫されたのですが、ローバー純正の供給パーツは製造廃止で、約1ヶ月半も作業は頓挫。。

右図は、その不具合部分を拡大したもの。
ちょうどフロントタイヤの泥ハネを浴びるあたりになります。
但し、この時点ではまだ一度も弊社で点検整備を承ったことがなく、それまでの業者は下回り錆止めについて全く配慮しなかったのでしょうか、シャシブラックの痕跡皆無。  また、RV車本来の使われ方=海山へ度々行かれることも手伝って、ブレーキパイプのみならずフロア全面に甚大な塩害腐食が。

 「輸入車ブレーキパイプ製作」でぐぐると、約21万件もヒットします。
 特殊技能が要るわけでもないのですが、では簡単かというとさにあらず。 油圧ブレーキ系統は、
 単に脱着して僅かに当りが変わっただけでブレーキオイルの滲みが中々止まってくれなかったりと、
 ただでさえ神経すり減らす箇所。 整備後、万一のことがあれば人命に係わる のです。
 ましてやそちこち強烈に錆々となると、ディーラーに限らずどこの自動車屋も腰が引けて当然。。
  正直なところ、「廃車・代替」ということも検討されたと思います。 電話やメールで何度も色々ご相談を受けました。
  不動車を神戸から京都まで陸送する費用のことを考えると、地元で引受手が見つかるのが最善だったのですが、
  作業進展せぬまま年が明け、1月も過ぎ、これは私がお助けするほかなしと勇気奮ってお引き受けしたのでした。



 そして丸2年余りが経過。
 結論先に述べると、ブレーキ系統のレストア見事に大成功でした!
 少なくともこれぐらいのスパンで見なければ、真の成功とは呼べないのではないでしょうか。^^

 しかしだからこそ、そういう次元で一旦お引き受けして責任持つ以上は、中途半端なことは出来ません。
 錆の侵食が根本原因のケースにおいては、液漏れ区間のみの部分対応というのはNGで。
 すなわち、怪しい油圧系統は全て一掃しておく必要かあるのです。
 また、上の画像を注視して頂くと、数多くの樹脂製クランプが等間隔に配されているのが分りますでしょうか。
 これも非常に重要な役割がありまして。
 パイプ同士/パイプとボディーの固定が不十分で振動・干渉すると、擦過により金属製といえども穴があくのです。
 ところが十数年以上の時を経た樹脂製品は、驚くほどひどく脆弱化しており、触る前から既に折れていたり、
 脱着の際にドライヤーで暖めながら慎重に作業しても、それでも折れてしまったり。
 あるいは、交換したい気持ちがあっても、このようなマイナーパーツはメーカー純正品の国内在庫が無かったり。
 はたまた、固定ピン用のボディー側丸穴が、腐食によって広がりすぎていたりと、あれやこれやで非常に厄介。
 ですが手抜き厳禁! 国産車用の流用出来る品を模索するなどして、しかるべく処置しておかねばなりません。
 徹頭徹尾完璧を期さなければ!!


 ・・・・・ という職人気質で臨む時、放置するとどんどん増殖する錆ルンルンを見過ごすのはかなり苦痛ですね。

 この記事の例ではオーナー様ご同意のもと、「下地処理 ~ 薬剤処理 ~ アンダーコート仕上げ」 をも行っています。
 強烈な錆浮きに対しては色々試した結果、どつき専用ドライバーとハンマー + ワイヤブラシという地味仕事が
 結局最善であったり、薬剤で化学処理するのも一度塗りでは到底ダメで、時間置いては二度三度重ねる必要あったり、
 速やかにアンダーコート塗って仕上げてしまうと走行テスト後、ブレーキオイル滲みの有無がチェックしにくくなるので、
 順序だてを配慮したり、筆舌尽しがたい辛苦を舐めていますが、ここでは割愛。
 皆さんも、錆にはご用心あれ。 ナーバスになりすぎてもいけませんが。^^;

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Range Rover Classic

1970 ~ 1996 総生産台数 317,615台
レンジローバー初代モデルのことを クラシックレンジローバー と呼びます。

内装は、正真正銘のウッドパネル&本皮シート。
英国車特有の格調漂う高級車で、所有して運転する喜びは想像に難くありません。
今でも根強い人気があるのも納得ですが、いかんせん機能的あらゆる部分に手がかかりすぎる側面があり、
欧米では、レンジローバーを維持し続けることそれ自体、十分賞賛に値する・・・ などと言われています。。
時は今2011年。
製造終期のものでも車歴20年が迫ってくると、ご縁あるクラシックレンジの数もさすがに減ってきましたね。
ですがこの車両のことを私は生涯忘れないでしょう。
思うに紆余曲折あったクルマほど、想い出深くなるものなのかも知れません。




 上の画像は、クラシックレンジローバーのセンターパネル付近の様子

 この記事を書いている今からちょうど4年前、平成19年春の出来事。
 あるお得意様の御友人の車両が、クーラー全く効かないとのことで初入庫してきました。
 1993-09製 LH40D 、当時で既に走行93,800km、車歴13年以上が経っており・・・・・

 満身創痍のお年頃? 拝見するとエンジンルーム内での複数部位からのガス漏れの他に
 ラジエターからの冷却水漏れも見つかってしまったのです。
  しかもクーラーガスは旧フロンR12。 このようなケースへの対応は本当に難しいものですね。
  限られた予算の中で、何をどのように対処するかの選択肢は、必ず複数種類あって呻吟するのが常だからです。
  独自判断で無断暴走などというのは論外です。 お客さまに指揮権委ねるのが私流儀なのですが、その為には
  概算費用のみならず、各選択肢についての事後予想コメントを述べ、全て理解して頂く必要が。
  正直なところ、こうするには長文メールが数通要ります。 しかし手抜き厳禁の大切な事なのではないでしょうか。


 結果、室内側は全く触らずエンジンルーム側のあちこちに手を入れ、部品代合計28万円強!
  この金額にもかかわらず、クーラー全替えには程遠い部分対応。 それで様子見というご選択だったのですが
  幸い途中一度もガス補充することもなく、丸4年経った今でもエアコンは快調です♪



 ところで、この記事での画像。 どうしてこれなのかと申しますと・・・
 予定パーツ交換後、数時間ごとに反復真空引きしつつ一晩静置。 真空保持テスト無事合格で
 フロンガス充填+冷房能力測定。 お客様に結果良好との報告をして、ご来店当日を迎えました。

 JR京都駅までお迎えに上り事務所にご案内の後、向い第二工場からおクルマ移動させる途中、
 冷気出るようになったクーラーを体感してもらうべく 送風スイッチを動かすと、ペシッ?!
これには参りました。  クルマ屋人生の中で一二を争う最低最悪の痛恨事!
嫌な音がしてからというもの、スライドレバーの節度感がなく、何をやっても風が全く出なくなってしまったのでした。  聞けば前々からスイッチの調子が悪く、左右にチョコチョコ動かさないと風が出なかったそうな。  うん、確かになんとなくこの違和感には気付いていたんですが、なにもこの絶妙のタイミングで壊れるなんて。。  「スーパーヅガン」 と似た語感、四国・中国・近畿地方では、このようなことを 「まんが悪い」 といいます。 T_T

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マグネットクラッチリレー

2003年製 NCP51V プロボックス/サクシード
エアコンが急に全く効かなくなったということで御来店。

拝見すると、クーラーコンプレッサーのマグネットクラッチ用リレー不良であることが即判明。
NCP50系の場合、同品番のリレーが3個 ( ホーン/MGクラッチ/EFI ) 使われているので簡単です。
クーラー不調は高額修理になりがちですが、シンプルな電気系トラブルに限っては、それほど恐れるに足りません。

ホーン用とMGクラッチ用のリレーを差し替え、エアコンが正常に冷えだすことを確認。
暑いのを我慢するのと、クラクション鳴らない不便さを天秤かけると、自ずと答えは出ますでしょう。
普通は部品届くまでの半日だけ、これで辛抱してもらうのですが・・・・・

TOYOTA 90987-02022 SUZUKI 38860-76F01
( DENSO 156700-2470 ) ( DENSO 156700-2480 )

残念ながら京都非在庫、メーカー欠品中! 納期半月後の6月中旬以降?! オーマイガッ
 半月お待たせするのも申し訳なく、なんとかならないものか部品商さんに手を尽してもらうも処置無しで。。
 そうこう悩むうち電光一閃、スズキ車で似たようなリレーを交換したことがあるのを思い出したのでありました。
 HE21S アルトラパン用 : リレー本体両脇に抜け防止の小さな突起があるだけで中身同一、流用可能なり。

トヨタさんが部品切らしている今限定で、これは耳寄りな情報であると思います♪ ^^


追記:
2003年製 UC1 ホンダインスパイア用 : 黒色で本体片側に2mm幅の位置決め突起がありますが、こちらも流用可能
HONDA 39794-SDA-A02 ( DENSO 156700-2680 )

価格設定は、トヨタ 1800円/スズキ1800円/ホンダ1120円 ( 2012年4月現在 )
横の突起を少し削るなりの手間があるかも知れませんが、ホンダ用を使うのが一番お得かも?(笑)

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HID ( 高圧放電灯 ) フォグランプ編

バンパービルトインタイプの純正フォグランプHID化について

  

上の画像は、1992-06製 JZZ30 トヨタソアラのフォグランプ ( H3ハロゲン → HID化、改造前/改造後 )
 フォグランプは道路運送車両の保安基準 第33条で細かく規定されており、「ヘッドランプ上縁より下にしなさい」と
 謳われているため、低い位置に設置される宿命にあり・・・ ひいては防水面に配慮する必要が生じます。
 というわけで、概ねどこのメーカーの純正フォグランプも、電球交換用の裏の開口部は、上図のような感じです。
 ゴムキャップで安易に済まさず、防水コネクタを介した重厚なキャップ。 Oリング付なので気密は確実!


したがって、フォグランプのHID化にあたっては必ず配線通し回しの問題に突き当たります。
 この記事が糞自慢にならぬよう、嫌味に聞こえぬよう続きの文章をどう綴るべきか、約一週間筆止めて考えました。
 世間一般はと思い「HID化 フォグランプ」のキーワードで画像検索すると9ページ目に私のこの画像が出ているし!
 恐るべしGoogle! おっと脱線 ww  概ね皆さん、明るくなりましたぁ~的な表側か、HIDキットそのままが大半。
 整備士である私は、どこにどんな穴をあけて、どのように防水処理したかが最も重要だと思うんですが。。



HIDバーナーの配線には、一応ゴム製グロメットが通されていたりします。
しかしそれは、コネクタを余裕で通せるφ25mm程度もある大きすぎる品で、汎用性は低いですね。
 残念ながら私はまだそれを利用出来たことがなく、毎回ハサミで切って捨ててます。(笑)
 これ、何とかならないものかと皆さん感じるはずだと思うんですが・・・ まぁ、あけた穴にブチル練って押しこむか、
 シーラー流せば防水面は不細工ながらも十分ですし、汎用性高い小型コネクタ&グロメットには中々改善されません。

そこで右上の画像、私の施工例・解決策はご覧の通り。 φ10mmの小型防水グロメットに換装!
これ実は、裏側が露出するテールレンズ ( トラック系 ) に使われる電球ソケットからの流用品。
ストップランプ用のがちょうど二穴です。 内側に抜け防止のツバもあるのでいい感じ♪
 但し、ここまでしてしまうのは諸刃の剣で一長一短あると思いますね。
 なぜならば、HIDバーナーのコネクタを再使用出来るよう上手に分解して端子を抜き取る必要があるからです。
 ハロゲンやHID、明るい電球というのは実に繊細なものでして。。
 地面や机にコンコンぶつけたり、ガラス面を指で僅かに触れただけでも寿命縮まるくらいに考えておいてちょうどです。

 試験点灯~素焼きの際や、端子バラしてどうこうする際は、呉々もこの点にご注意下さい。
 あと、安価なHIDキットを使って初期不良喰らった場合、部品は替えてもらえても工賃までは無理だったりします。
 手間をかけた分、被るダメージも大きくなってしまうので、施工レベルの選定は何が正解とかないでしょう。
 というものの、オーナー様に許して頂けるなら、一瞬の冠水に備え毎回このように仕上げたいところではあります。^^

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HID ( 高圧放電灯 ) その2

過去記事 「 HID ( 高圧放電灯 ) その1 」 もご参照下さい




 上の画像は、2001-11製 トヨタVitzRS NCP13 のエンジンルーム
 約5年ほど前、アーシング施工を承って以来、幾度かの車検整備等でわざわざ大阪からご来店下さいます。
 大変気に入って下さったご様子で、本当に整備士冥利に尽きます。 誠にありがとうございます。
 歳月が流れ、バッテリーが替わり、タワーバーが追加され、この度はHIDキットをお取付。^^



 今回お客さまが選ばれたのは、PIAA製HIDコンバージョンキット。 H4型左右のセット内容は、
 イグナイター2個+バラスト2個+Hi/Lo切替ユニット2個+ヒューズボックス2個 = 合計8個と配線ウジャジャ!ww
 臓物をこんなに増やすとなると、下手すればエンジンルーム内の調和を乱しかねないと思います。

 回避策としてフロントバンパーを外し、ヘッドライト下の空間等に仕込んだりするのですが、
 10系ヴィッツはちょっと特殊なバルクヘッド ( エンジンルームと室内境目のパネルが脱着可能な構造 ) で、
 覚悟を決めてえいやっと外せば安心して電動ドリルが使えました。

 結構熱くなるエンジンルームの俯角ついた壁面に、両面テープ接着だけでは脱落の不安が。。
 1枚目の画像、バラストユニットとHi/Lo切替ユニットは、ボルトナットでしっかり固定してあります。
 HID用配線はスロットルワイヤーに沿うよう工夫。 違和感なく仕上がっていると感じて下されば嬉しいのですが♪



補足 ( 汎用ヒューズホルダーについて ) :
HIDキットに限らず電装系社外品にはヒューズが要りますが、大抵の添付品は低コスト化のためか防滴形ですらなく。。  それでいて配線の長さはせいぜい30cm位しかないので、普通はそのままプラス端子のすぐ近くに設置されることに。
これ案外と盲点なんですが、劣化しだしたバッテリーは白い粉噴いたようになり ( 希硫酸電解液の蒸発ガスの影響 ) 周辺を汚損するのですよ。  実際これに起因したヒューズ接触不良によるHID不点灯というトラブルを過去に経験しています。  この対策としては、配線を延長する/簡易防水形ホルダーに変更する等の方法もあるのですが・・・  私の定番は、右の画像のように既設ジャンクションボックス内への設置です。^^

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電流制御システム付車両


 上の画像は、2010-04製 Y51 日産フーガのエンジンルーム

 前回記事「アルミ製フットペダル」と同じ車両に、アーシングした完成図になります。
 縦置きのV型エンジンで、最上部に特大の化粧カバー付・・・
 ということで、サークルブロックの配置は必然的にこうなるのではないでしょうか。

 ブラック&シルバー基調のエンジンルームに、ちらっと覗くブルーライン。
 シンプルで且つとても美しく仕上がったと思います♪



電流制御システム付車両:
燃費改善目的で、きめ細かい発電制御を行う車両が増えてきました。 環状の電流測定プローブ ( 電流センサ ) のローコスト化に伴い、自動車にも搭載されだした模様。 直列式の電流計と異なり、単にクランプするだけで正確に通過電流が測定できる優れもの。 これによりオルタネータの発電量を、従来品より繊細に制御可能に。

バッテリー端子の近くにある、丸または四角の部品が測定プローブ。 原理的には、プラス側/マイナス側どちらで通過電流を測定しても同じことで、このためメーカーにより設置する位置はバラバラです。 後付品などを配線する場合注意が必要で、プローブ~バッテリー端子間に接続せぬようにしましょう。

右の画像はフーガ君のバッテリー部分。 プローブは、中央右端に見える黒四角のパーツになります。 本施工のアースケーブルも、バッテリーマイナス端子には直接繋がず、その先のボディーアース部分に落しました。



 余談になりますが、1枚目の画像と下の画像を見比べてみて下さい。
 カバー付きバッテリー格納スペースがエンジンルームと完全に間仕切りされているのが特徴的。

 このような場合、太いケーブルを渡らせるのは案外厄介で、( 青い22sqケーブルの外径は約10mm )
 蓋とボディー・・・ どこか一ヶ所U型に大きく削るか、それぞれ半円に削って丸穴にするか、
 色々検討した結果、「ここしかない!」という場所にホルソー使って真円新設。
 最適サイズのラバー製グロメットをこのためだけにわざわざ調達して嵌めこみました。
 何もない所にグリグリ穴あけるのは勇気が要ります。 上々の出来と思って下されば嬉しいんですが。。^^


♪