クルマ屋 奮闘記 -4ページ目

アルミ製フットペダル


 上の画像は、2010-04製 Y51 日産フーガの運転席足元

 アクセル、ブレーキ、フットレスト、サイドブレーキ・・・  大小4種類のペダルが織り成す統一感♪
  純正流用ならではのジャストフィットもあいまって、これは誰が見ても美しく感じるのではないでしょうか。
  実は、インフィニティG35セダン用アルミペダルセットを、スカイラインに移殖したという元記事がありまして。
  それをご覧になられた方からのご依頼です。 心の琴線に触れた施工例、つい真似たくなるのは人情ですね ^^

  但し、web上の実例と自分のクルマが、年式グレード何から何まで同一なら安心ですが、世の中そうは甘くなく。
  車種違いともなれば異なる点があって当然で?  フーガへの移殖の場合、フットレストその他で問題が。。

 アクセルペダル:
  サイズ的にはほぼドンピシャなんですが、固定用のビス穴の位置に難あり。
  フーガ純正樹脂製ペダルの裏側は、補強の格子が入った胴殻で、まんの悪いことに十字の部分に当ります。
  この対処、いい加減に済ますとビスがつっかかり、アクセルを一杯踏んだ時の開度が減ってしまうのでNG。
  ( 全開ベタ踏みなんて絶対しないから、多少アクセル開度が減っても平気だとか言わないで下さいね!www )

 フットレスト:
  フロアマットめくると土台部分は発泡スチロール。。
  何百万もするクルマなのにとメーカーを責めるてい
  るのではありません。 むしろ、軽量化して燃費改善
  という涙ぐましい努力の跡と受けとめます。 問題な
  のは、ここにビス突き刺しても格好だけということ。
  上下左右にずれにくくはなるでしょうがーww

  元々の品は薄い樹脂製で、フロアマットにピン留め。
  これじゃフットレストというより、足置く場所の補強材。
  踏んだ感じ心なしかふんわりしてたのも納得でした。

  ところが、インフィニティ用のアルミ製フットレストは
  土台の発泡材より若干どころか結構背が高く・・・
  凸面よりも上がはみだしすぎ具合悪いのですよ。

  これがために、お客様はDIYを諦められたようです。
  依頼時この問題を申し送られるとともに、対処法と
  ご予算面全て一任、このブログを読み全幅の信頼
  寄せて下さったとの仰せでした。



  このような場合、嬉しい半面非常に悩ましくもあり。 手を抜くわけには・・・ さぁどうする? どうする俺?!www

 悩み抜いた末、新品のアルミペダルの上端一列、下端二列カット。
 まさか私が糸鋸でガリガリ切るわけにもゆかず、この金属加工は外注に出しました。
 結果、ラウンド加工だけはプレス打ち抜きにかなわないものの、直線部分は見事な切り口に。

 次に固定方法について、土台発泡スチロールを木製の頑丈な品に置換する案も考えたのですが
 余程精密に作らないと逆にガタついてしまわないか、コストパフォーマンスも劣ると予想し却下。
 代案として、フロアマットをきっちりサンドイッチすべく、大きめの平ワッシャでもよかったのですが、
 ペダル等身の裏金をワンオフ。 長めのボルトナットで固定して、どうにか完成に漕ぎつけました。



 手の早い人ならペダル4枚、合計20~30分程度で付けてしまうとの情報あり。
 ですが冒頭の完成写真だけでは決して伝わらぬ、隠れて見えない裏側に多大の配慮を払っています。
 切削加工その他、何から何まで全部含めると、私が何時間かけてしまったか。。 職人仕事につき企業秘密です。 lol

♪

六角圧着用ダイス



1955年製 Porsche 356 Pre-A 、並行輸入 型式不明・・・・・
新規登録のための予備検査受験合格を、なるべくならば低予算でというスーパータスク降臨!



しかしこの車両、ボディー外観・ウインドガラス・シート・内張り・フロアマット・エンジン本体といった
表っ面、うわべ部分は一応かっちりレストアされていたものの、その実、板子一枚下は地獄?!^^;

 恐々フロアカーペットをめくってみると、半分腐った雑な造りのスノコが置いてあって底面合っておらずゴトゴト。。
 その更に下は、大昔に黒いタール状の錆止め剤でも塗られたっきり? 一面ジャリジャリのネチャネチャのマッチャッチャ!
 キャブレターは新調したてのようなのに、燃料タンクと燃料パイプの内面は錆だらけ、燃料コックはガソリン漏れで・・・
 スロットルペダル~リンク機構はガタだらけのため、アクセル目一杯踏んでも実際のスロットルは半分も開かないし・・・
 サイドレバーのラチェットもガタガタで、しかも一番良く使うらへんの歯は、角が摩耗しすぎて滑ってしまうし・・・
 配線関係は猫が遊んだあとの毛糸球状態? 無残なまでにゴチャゴチャで、当然のようにヘッドライトも不点灯・・・
 その他、キングピンのガタが大きすぎたり、ハブベアリングもダメだったりと書ききれないくらい満身創痍!
 1990年代の旧車バブル期の産物なのかも知れません。 以来、約1月余り大奮闘することとなったのでありました。

難題山積! されど剣が峰を乗り越えて、無事見事に予備検査一発合格♪

 何れもブログ記事になりそうな。 京都運輸支局での晴舞台まで載せたりして?(笑)
 いえいえ、私は慎ましく、一番印象深いヘッドライト点灯不良修理についてだけ軽く触れておきましょう。
 正直このような車両への対処能力は、せいぜい2月に1台が天。 それ以上入庫してくると降参してしまいますからww




このポルシェ356のヘッドライト系統をみていくと、不点灯の原因はスイッチ裏の配線不良でした。

 20世紀中頃くらいまでの、非常にレトロなクルマの場合、ヘッドライト用のリレーなど元々使われておらぬケースもあり、
 そのような場合、直列接続のヘッドライトスイッチに、ヘッドライト左右2個分の大電流がダイレクトに流れてしまうのです。
 とはいってもノーマルの 60/55W ハロゲン球ならハイロー同時点灯でもせぬ限り、実質流れるのは高々 6 ~ 10A。
 2.0sq程度の少し太め配線で十分足りてしまう数値ではあるのですが・・・
 これ位の電流値からは僅かな接触不良でも焼損トラブルを招くので、コネクタ等、各接続部には厳格さが求められます。

 後の 356 A ・B ・C シリーズの先駆けとなった Pre-Aモデルのヘッドライトスイッチは、裏の配線が差込式のギボシ端子。
 これでは何度も脱着重ねたり、何十年もの歳月が経つと、前述の焼損トラブルということになってしまうのも当然!
 ( 後継シリーズ用のヘッドライトスイッチは、ネジ止め端子に改良されています。)

 焼け焦げた部分を観察すると、端子がゴソゴソ。
 以前に誰かが修理して端子交換したのか数ヶ所だけ、オス・メスの径が一致してませんでした。
 まぁそれもそのはず。たかがギボシと侮るべからず。 どこでも売ってる一般的なギボシ端子とは随分異なる径・形状。
 仕方がないので、見本送って適合する品を探してもらい、待つこと数日。
 無事これならという補修用端子が見つかったのですが・・・
 そのものズバリの欧州規格の圧着端子?!

 右の画像は、日本で一般的な圧着工具。
 半円で抱き込んで四角いチョボで押しつぶすタイプ。

 これに対して欧州の場合、六角圧着方式が広く採用されており
 圧着工具の金型は下の画像のようになります。

これ・・・
手を尽して探しても、手軽で安価な品がどうしても見つからないんです。



 金属材料には、「引張り強さ」 「伸び」 「絞り」 「硬さ」 「衝撃値」 「疲労限」 「残留応力」などの強度特性があるのですが、
 平たく言うと、ぐにゃっと押し曲げる感じの日本式圧着端子は、割れないよう柔軟性の高い合金が使われるのに対し、
 絞りこむ感じの欧州式圧着端子は、押しつぶす割合が僅かな分、それに相応しい適度な硬さの材質で。。
 六角圧着用のハンドツールは、どれも油圧式の重厚な品になり、手が出ない値段なのです!ww

 対応として、A案)圧着せずにハンダを流す   B案)日本式の工具で六角圧着もどきに?笑

 どうするか色々悩みましたが結局、2SQ専用の六角金型を手製して、バイス ( 万力 ) 使って圧着しました。
 アンテナ同軸ケーブルF型コネクター専用サイズの六角圧着工具なら掃いて捨てるほど見つかるんですがねぇ~。^^;

♪

SUBARU BRAT


上の画像は、1986-05製 スバルBRAT ( 北米輸出専用車両 逆輸入のため型式不明 )
苦労の末やっとのこと調達した、レシーバータンクの新旧2個です。

 レシーバータンク ( リキッドタンク ) :
 冷凍サイクル内のゴミや水分を取り除く消耗部品で、クーラー配管等脱着修理の際には、同時交換を強く推奨

この車両のボンネット裏には、搭載されたクーラーシステムのコーションラベルが健在で、
Subaru Of America を意味する ( SOA******* ) という純正品番がまだ判読可能だったため、
当初は安易に考えていたのですが、いやはやどうして一筋縄ではいきませんでしたね~ ww

というのも生産車両はクーラーレスで輸出されており、オプション装着のクーラーは米国ディーラー後付け品との事。
日本スバルは一切関与しておらずデータ皆無、詳細不明?  横の連携悪く不親切というのは世の常でしょうか。。
仕方がないので輸入車ルートで調べてもらうと、かなりの日数待たされた挙句、「製造中止、供給不能」 orz

こうなると残された方法は、現物合わせによる代替品模索となるのですが・・・
 1) IN/OUT、二つの配管接続部の径・形状・ネジピッチ
 2) 低圧用・高圧用の圧力スイッチ、そのコネクタ形状
 3) 固定用ブラケット
これら全てを満たす品などは望むべくもないので、最低限、(1)の条件のみで我慢し他は何とかせねばなりません。
しかし ・・・・・

レシーバータンクの命は気密保持された新品であるということ!
キャップ外して僅か半日くらい放置しただけで、大気中の水分を吸ってしまい除湿能力を使い切ってしまうのですよ。
外観のみ新品みたいな粗悪品の出来上がり?!(爆)
この機微を知る熟練整備士は、脱着過程の配管端部を適切なゴムキャップで気密します。 マスキングテープ不可。
レシーバータンクの取付順序にも気を遣い、なるべく最後にして設置後速やかに真空引き開始するのがお約束。

と、非常にシビアなパーツなので、部品供給元も特別な配慮=不活性ガスを充填してくれてます。
初めてゴム栓外した時に 「プシュ~」 となる品は信頼性高く、作業する身としてはある種の快感だったりします。w
・・・・・ そんなレシーバータンクの大事な大事な命のゴム栓。  在庫の棚に眠る品、片っ端から外して現物合わせ?

幸い、人情味溢れる奇特な業者さんが見つかり、厄介な依頼を引き受けて下さいました。
驚いたことに、一旦ゴム栓外して確認されたはずなのに、再度プシュ~となったのですよ!
フロンか窒素あたりの不活性ガス注入キット一式を持っておられ、開栓確認後に再充填してくれる。。
実に芸の細かい話で、私にとっては感涙ものでした。  まぁ、そういう業者さんだからこその快諾だったのかもですね♪



 余談 :
 BRAT用クーラーコンプレッサーについて  ( Diesel kiki : DKS-15BH / 509630-8571 )

 残念ながら製造後年数が経ち廃止品番に該当してしまうため、リビルト在庫はおろか現物リビルト化すら不可。
 関西・中部・関東、私と二軒の部品商とでかなり広範囲に手を尽したのですが、答えはどこも同じだったのです。
 1958~ ヂーゼル機器  、1990~ ZEXEL  、2005~ Valeo
 と変遷してきたメーカーなので、デンソー製と比べると多少不利なのでしょうか?
 上述、同じ業者さんが見事なリビルト品にして返して下さったお陰で、クーラー修理は無事成功したのですが・・・

 1月後に入庫してきたエアコン修理の別車両、
  1991.05登録 ボルボ940 E-9B230W のコンプレッサーが偶然同じ Diesel kiki製 DKS-15BH だったのです!
 509640-0164 と品番こそ微妙に違い、マグネットクラッチ用の配線ブラケット・コネクターが若干異なるものの、
 外観上はBRAT用のそれと寸分違わぬようでした。  驚いたことに本国スウェーデンには在庫あり。
 再び登場の上述業者さんでは、Valeo製の社外品新品が在庫2との回答で、この内の1つを頂きました。

 すんなり事が運ぶのは喜ばし限りなんですが~、なんだかキツネにつままれたような気分ではありましたね。ww
 他のBRATオーナーの方々にとっては耳寄りな情報かも知れません。^^  ( 適否は自己責任でお願いします )

♪

クーラーコンデンサー放熱性能改善


  上の画像は、1995-06製 三菱ミニカトッポ H31A
  フロントバンパー&ラジエターサポート外れましたの図。

  軽自動車のバンパーは、ビス ボルト 樹脂製クリップ、合計10個ほどで外れるので、割と簡単にこうなります。
  クーラーコンデンサーとラジエター、2個の電動ファンの配置が非常に特徴的なので、この車種を例に選びました。
  手前に見えるのがクーラーコンデンサーとその電動ファン。
  奥に半分交差しているのがラジエターで、隠れて見えませんがこちらにも背面型の電動ファンが配されています。



  皆さんほとんど意識されないようですが、クーラーコンプレッサーもオーバーヒートします
  エンジンと全く同じことで、異常発生時にヒートしすぎてしまう場合が多々あるのです。

  大衆車クラスのエアコンには自己診断機能などはなく、エンジンルーム内の電動ファンが回らなくなっていたり、
  冷媒のフロンガスが漏れ、標準充填量の 1/10 程度にまで減ってしまっても、コンプレッサーは動いてしまうのです。
  クーラーがほとんど効いてない変だと思いつつも、暑い時期だと中々A/Cスイッチを切ってしまえないものですが、
  そういう時、刻一刻コンプレッサーは過熱によるダメージを受け続けているのですよ。
  おかしいと気がついたら、修理するまでは潔くA/CスイッチOFF!!  これ、修理費抑える鉄則であります。



  私はいつの頃からか、クーラー系統の点検時、必ず配管を手で触ってみるようになりました。
  正常に冷気が出ているエアコンでも、気温が30℃を超えだすと、高圧系統は結構熱いですね。

  もし地球温暖化の影響で、最高気温40℃超の日なんかに出くわしたら?
  システム想定気温は案外低く、過酷な環境下では正常なエアコンでも、ヒートの影響で冷房能力がダウンします。
  そして特定の気温を超えるとクーラーの使用は諦めてもらいたい限界点があるという事を、覚えておいて下さい。

  この限界点は車種によっても異なりますが、渋滞時、36℃で既に相当きついのか、42℃まで耐えてくれるのか・・・
  ご自分のクルマのクーラーが摂氏何度まで使用可能か、予め想定しておくとよいかも知れませんね。
  すると僅か数度のこととはいえ、この差はかなり大きな意味を持つと思われませんか!

  クーラーの使用限界外気温度に関するキーポイントは、コンデンサーの放熱性能にあります。
  外に捨てれる熱量がUPすると、限界点は有利にシフトし、冷房能力も自然と良くなるのです。

  しかしそうと判っていても、コストやスペースの問題のために、大型クーラーコンデンサーに換装とかは難しく。。
  なるべく安価に!!  現状に何かプラスアルファして、可能なかぎりの放熱性能改善を試みるのが正解でしょう♪



右の画像は、ラジエター用電動ファンシュラウドの上面部。
ラジエター本体とシュラウドとの間にご注目ください。

ここの隙間処理は、結構おざなりな車種が少なからずあります。
面倒でも一旦脱着して隙間テープを貼ってあげるとGOOD。

フィン間の通気量と放熱性能は比例関係にありますので、余分な隙間があいていたり、葉っぱや綿埃のたぐいで目詰まりというのでは、性能が低下してしまうのです。

特に背面型電動ファンの場合は注意が必要で、ラジエターとクーラーコンデンサー間の側面の隙間にも配慮せねばなりません。  冷却水漏れでラジエター交換・・・ というのは、一見クーラー系統と無関係なので、新車の頃にはちゃんとあったはずのスポンジ素材、7~10年ほどで劣化崩壊しだしてボロボロになるのは定番ですが、その重要性を認識していない不心得者に任せてしまうと、スポンジ貼りなおすどころか逆に全部めくられたり?ww

盛夏のエアコンの効き具合に大きな影響を及ぼすスポンジ素材
2000年以降、新車時から省略されている例がだんだん増えてきましたが、これはどうも設計思想の転換なのではと想像しています。 コンデンサーの放熱性=容積や電動ファンのパワーを決めるにあたり若干の余裕を持たせることで、低圧配管の断熱や、上述隙間処理を端折っても、同等の性能が得られるように。 シンプルにすることによるコスト節減なのでしょう。 ですが小技効かしたほうがより良い結果に、つまりクーラーはもっとよく冷えるようになると私は確信しています。^^



そして真打ち、話の核心は放熱塗装
2006年夏季からの約4年間、多くの試験施工を重ねた結果を、ここに謹んでご報告いたします。


体感するほどの明確な効果
レース・ストリート系車両のラジエター、インタークーラー、オイルクーラーなどには割と早くから採用されていた放熱塗装。
たとえば参考例として横浜市の 有限会社フレックスさんのHP  をご覧下さい。  Oh Beautiful

着色料で放熱効果に差が出るようなことはないのですが、アルミ素材の定番色、ブルーやレッドは実に美しいですね♪
フレックスさんの放熱塗装解説ページでは、「冷却効率は20~30%と飛躍的に向上」となっています。
これはCPU用などのヒートシンクよりも、フィンの目がずっと細かい = 比表面積うんぬんということによります。
クーラーコンデンサーについても、同程度の素晴らしい向上率を期待できるでしょう。

それならば、フロンガスを回収して配管切り離したりせず、廉価施工で手前半面プラスアルファ放熱塗装をした場合でも、
「約15%程の放熱性向上/優れたコストパフォーマンスを発揮」と考えるようになりました。 実際、フィーリングも良好♪


輻射エネルギーの能動的受動的作用
物事や現象には、往々にして表と裏の性質があるものです。 輻射特性に優れた材料にも同じことが言えます。
放熱性向上塗料の記事でも触れた、沖電気工業製「放熱シート まず貼る一番」には興味深い使用例がありまして、
冷却したい箇所に貼った放熱シートと向かい合わせ、筐体カバー内側の対向面にも貼る、という手法です。
つまり、熱を電磁波に変換して放射しやすい材料は、電磁波を吸収して熱に変換し直す性質にも秀でているのですね。
( 同一平面上の連続した素材間でも同様で、放射吸収を繰り返し、あたかも熱伝導率を高めるような働きもします )

この知識は、放熱塗装を効果的に設計配置する上で実に有用、いや必須でしょう。
異なるシステムの隣接した放熱ユニット(例:ラジエターとコンデンサー)、どちらのクールダウンに重点を置くかによって、
両方に放熱塗装するのか、片側のみにしておくか・・・ 私は、思想次第で自ずと答えも違ってきて当然だと思います。^^


クーラーコンデンサー放熱塗装について、私の施工提案をご了承下さった方々からの生のご意見、募集中 !!


♪

放熱性向上塗料

熱の移動・拡散には、三通りの形態があります。
熱伝導: 固体内部の分子運動等。 例えば金属の中を直接伝って逃げていく熱など。
対流: 流体による熱移動。 水冷装置や空冷ファン、ファンヒータの原理。
輻射・放射: 電磁波による熱移動。 例えば太陽や赤外線ヒータの熱放射。 本記事での着目点です。

実は、沖電気工業製の「放熱シート まず貼る一番」という商品を知り興味を持ちまして。
検索すると詳細な解説ページがすぐに見つかり、上述知識もそこで勉強させて頂きました。
輻射熱を利用した画期的な放熱材!! ですがその元となる塗料「セラックα」は門外不出とのことでした。。orz

市販車純正のラジエターやクーラーコンデンサーの放熱は、熱伝導と対流によるものが大半なので
これに輻射要素を加味してやれば、放熱性能をアップ出来るはず! で、放熱塗料で検索すると・・・

  放熱用コーティング剤 「クールテック」
  

ガスバーナー外炎の温度は、およそ 1400 ~ 1500℃ もあるそうです。
動画中、クールテック塗装を施されたアルミ板サンプルは溶けなくなってます。 耐火性能格段UP!

  私の求めるイメージとは少し違うのですが、オキツモさんは元々、耐熱塗料を得意とするメーカーさんなので、
  こういう手法による訴求のほうが、むしろ自然なのでしょう。 "放熱効果による基材耐熱性の向上" 正にその通り ^^;



自動車のクーラーをもっと効くようにする目的で、クーラーコンデンサーの温度を下げてやる。。
そういう観点から、「オキツモクールテックの商品解説ページ」 をご覧ください。

   

クールテック塗装をしたヒートシンクは、アルミ素地の製品に比べて、約10%もクールダウン!
この差分はそのまま輻射要素によるものなのでしょう。
灼熱とまでいかない 50~100℃のマイルドな温度域でも、5~10℃も放熱性向上・・・
単に塗るだけでサイズアップと同等効果を得られるとしたら、これちょっと凄くないですか♪

  補足:
  ヒートシンクよりずっと目の細かいクーラーコンデンサーは、塗装面積が増える為、更なる効果が期待できます。
  オキツモクールテックは、180℃20分の焼付け塗料です。
  赤や青など豊富なカラーバリエーションがあるのですが、弊社の在庫品は現在「艶消し黒」のみになります。
  ご要望があればお応えいたしますが、完全受注生産品につき、納期は約十日かかります。

♪

レストアガレージ251 車屋夢次郎

  

上のリンクは完全無料のブロードバンドコンテンツ 有線GYAO。
これから5連続くらいのレストア記事を書くに先立ち、興味のある方にはぜひ観て欲しく御紹介。
「レストアガレージ251 車屋夢次郎」

    RESTORE : 秩序・機能・健康などを元へもどす、回復・修復・復活させる。

整備士である私にとっての 「レストア」 とは・・・ 通常の点検車検整備・一般修理では手がけない
全工程丸4日 ( 30時間 ) 以上はかかる、誠意と根気、途切れぬ集中力を要する作業をいいます。
鈑金塗装を含まず。  ですからまぁまぁ頑張れば、すぐにレストアと呼んでしまうんですね。 (笑)

物語の中では、「廃車を新車当時の姿に戻すこと」 との定義ですが、最たる例にすぎないでしょう。
クルマに限らず、何かを修復したり保守するというのは、とてつもなく地味な作業だと思います。
決して銭金のためだけに出来ない仕事。  この作品が人情味溢れるストーリーなのも頷けます。

  第1話 : トヨタ2000GT / 第2・3・4話 : ケンメリGT-R / 第5話 : スバル360 ( 6話~に続く )

主人公のお爺さんが、少し女好きでお茶目すぎるようなきらいもありますが、これは御愛嬌。 www
公開は1月31日正午までなので、興味のある方はお早目に!
近日入れ替わる続編が待ち遠しいです♪ o(^-^)o
♪

謹賀新年

日の経つのは夢みるように早く、気がつけば2007年。

しかも、既に1月も中旬にさしかかっているだなんて!
タッタカ・タッタカ猪突猛進してこの1年が過ぎていきそうです。。

AM3、久々記事更新♪
例によってこの記事も未完なまま今日は寝てしまいますが。
( 後日、改筆します~ ww )

年始早々、既にブログ経由のお客様5台入庫。  クルマ屋 奮闘中!!

♪

ショッカー戦闘員?!


就職・転職情報 「B-ing」 のショッカーCMは、妙に哀愁漂っているような気がして好きでした。w

多くのCMバージョンをWEB上で公開していたのは夏頃のことだったでしょうか。
どこかのリンクから何気に辿り付き、思わず全バージョン制覇してしまった自分が恥かしいです。。

上の画像は、そのとき行き掛けの駄賃とばかりに応募したのが見事に当選して送られてきた品♪
サンワサプライ製 ショッカー戦闘員イラスト付き iPod nano専用ケース
でも実は私は iPod も iPod nano も持っていません!  「そやったら応募とかせんときーな!!」
という声が聞こえてきそうですが、このような・・・ 貰って微妙な物ばかり稀に当って照れ笑い。 (爆)

自分にとって不必要なモノは、人にあげるかオークションで売ってしまうのが正解なのでしょうが、
この当選品が舞いこんだのと時同じくしてブログ経由のお客さまラッシュ?!
常に2~5台の作業待ち状態が続き、ブログ停止して必死で連日連夜残業して頑張ったのでした。
今ではショッカー戦闘員が福の神に見えだしたので、もう誰にも譲る気はありませんね~。 ww

  11月12月、入庫して下さったブログ経由のお客さま車両は、概算40台以上にもなりました。
  それらの内で純新規の方は僅かに数台。。
  他の9割以上の台数は、過去に何らかの形で既に御縁があった方々からのご依頼でありました。

  典型的なパターンとしては、例えばエアコン修理後に車検時期を迎えてまた入庫して下さるとか、
  仕事用・マイカー・セカンドカー等、複数台所有しておられて別車両の整備をもご用命下さったり、
  あるいは去年からちょうど丸1年が経ったので、今年もまた点検・車検をとご依頼下さるなどなど。

  これらは前回整備品質に対する何よりのお褒めの言葉と思い、日々幸福に包まれて仕事をしています♪
  本当にありがとうございました。  これからも頑張ります! (^-^)

♪

ループアンテナ

配線をクルクル巻くと、「ループアンテナ」 の出来上がり? w

     
上の画像は、1999年 スバルレガシー BH5 、スピードメーターを丸ごとごっそり取外しましたの図。

 このクルマの御依頼内容は、「カーナビゲーション+VICS+ETC移設」 だったのですが、何故にここまで? w

 実は別件で大阪のお客様から、ETCアンテナの裏技的な装着位置について、お便りを頂いたのでした。
 「本体だけでなくアンテナも外から見えない場所に付けたい = メーターパネル内部」 という施工例のHPを
 御紹介下さり、これと同じようにすることは可能ですか? という御質問内容でありました。
 「勿論YES♪」 と即答したものの、残念ながらとある理由で沙汰止みになり、私の中の知識として眠ることに。。

フロントガラスの標準位置よりも1枚遮蔽物が増えるのに加えて、取付角度も水平寄りになります。
これはもう感度的には絶対不利なので、成功例を幾ら聞いたところで非常に不安に思うわけです。
そこで何か良案はないものかとおぼろに思っていて、ある日ようやく閃きを得たのがこの作戦♪

 三菱製ETCキットには、常々私が使うなかれと啓発している「 低グレード品、シングル歯の赤いエレクトロタップ 」が
 梱包されていたりするのですが、割りと丁寧に書かれた取付要領書を入れてくれているあたりは VERY GOOD。
 それによりますと、アンテナ線の余った部分は折らずに15cm程度に巻く ように指示してあったのです。

 お恥かしい話ですが、折り曲げて束ねるといけないんだ・・・ 芯線が断線しやすくなるからかな・・・ くらいの認識で
 以来、指示通りにはしていたのですが、汎用品の定めとはいえアンテナ線がいやに長すぎ毎回グルグル巻くことに。
 これじゃまるでループアンテナ。。  うん?  おやぁ~?   (ノ゚ο゚)ノ オオオォォォー!!

しかしETCの送受信用に定められた周波数を調べてみると、約 5.8GHzによる無線通信。
これはFMラジオの約70倍!  電波分類上は、TVなどのVHFやUHFを超えるSHF!!
残念ながら、サブアンテナとしての優れた効能があるとは、余り期待しないほうが無難でしょう。

とはいうものの・・・・・
余って巻いた部分を、サブアンテナと思って作業したかどうかの違いは非常に大きいと思います。
そのつもりで作業をすると、車両ハーネスからなるべく離れた適当な空隙に貼るだろうからです。
過去記事「 ラジオアンテナ 」と同じ理屈で、途中のアンテナ線は単独経路にするだろうからです。
ETC設置をDIY作業する時は、キーワード 「ループアンテナ」 ですよ~♪
♪

アウディーのサーモスタット



上の画像は、1992年 アウディー100 、V6 AAH型エンジンです。
エンジンオーバーヒート」 で、とりあえずサーモスタットだけを交換との御依頼だったのですが
お恥かしい話、サーモ君が上手に隠れていて簡単に見つけることが出来ませんでした。。

普通はラジエターのアッパーホースかロワホースを辿っていけば、一目でそれと判る膨らみが
見つかるのですが、このアウディーのエンジンにはそのような箇所がどこにもありません!

こういう時は、自力で探し続けるか人に尋ねるか、どのタイミングで
踏ん切りつけるか難しくないですか? 道を聞くのに似ています~w

このケースで私は30分以上も無益な時間を費やしてしまった挙句、
結局ディーラーさんに電話して聞いたらすぐに教えてもらえました。

種明しをすると、エンジン右バンク側のタイミングベルト裏あたりに
サーモスタットはありますとのこと。  タイベル緩めるだけでOK。

基本方針さえ判れば、多少面倒な作業でもどんどん進むものです。
もっと早い時点でサクッと尋ねれていたら・・・ これでも昔に比べると
随分早く切りかえれるようになったほうなのですが。 (^_^;


余談になりますが、右の画像は左バンクのタイミングケース内。
銀色の細かい破片が無数に散らばってるのが判りますでしょうか?
これはアルミが削れた粉です!

異音は全く出ておらず、分解してみないと一切見えない部分なので
手をつけるまでは予想だにしていませんでした。  しかし明かにウォーターポンプは逝ってしまっている模様。。
オーバーヒートしたのが原因というよりも、以前から密かに痛んでいたのかも知れませんね。
当然、お客さまにご報告したのですが、直さずにオークションで売却するとのことでした。  私は従う他なしです。

今頃は、外れ玉を引いてしまった方がどこかにおられるのでしょうねぇ~。  合掌! (-人-)

♪